田代商店ブログ

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●最低賃金(2022/12/2)

毎年10月に最低賃金の改定が行われます。

 
2022年も全国平均で930円から961円へと最低賃金が引き上げられました。
2021年度は28円UPだったのですが、それを上回る前年度比31円のUPです。

 

 

最近の物価上昇を考えると致し方なしなのでしょうが・・・。
コロナで売り上げが下がっている企業にとってはかなり厳しい数字なのではないでしょうか。

 

 

弊社がある香川県では、今年の改定で最低賃金が878円となりました。
全国平均から見るとまだまだ低い金額ですが、
高知853円・愛媛853円・徳島855円と、四国の他県と比べると20円以上高い最低賃金となっています。

私が高校生の時アルバイトした時給は確か650円だった気がするのに・・・。もう30年も前ですが。

 

 

一昨年はコロナ禍真っ只中ということで上げ幅はかなり抑えられていて、
香川県では、818円から820円と2円UPに留まりましたが、
昨年は、820円から一気に848円と28円UP、
そして今年は848円から878円と30円UP、
多分上がり幅としては過去最高なのではないでしょうか・・・。

 

 

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今も変わらずコロナ禍にあるというのに・・・
しかも体力的にかなりキツそうな企業も増えてきているのに・・・
マジか・・・の一言に尽きます。

 

 

最低賃金の引き上げであーだこーだと騒ぐと、
『え、給料そんな低いの?』
って聞かれますが。
『最低賃金なんか気にしたことなかった』
とか言われますが。

 

 

確かに、時給1,500円とか支払っても成り立つような商売をしていかなくてはならないと思います。
そのために日々努力を惜しんでいるつもりはありません。
社員には働いた分を持って帰ってもらいたいと思ってます。
それはどこの会社でも一緒で、頑張ってくれている社員にはたくさんお金を払ってあげたいと思っているはずです。

 

 

でも、全てがそうはいかない事情もあるのです。

 

 

弊社では、定年後再雇用を行っています。
弊社の定年は65歳なんですが、65歳になったからといって急に仕事ができなくなるわけではありません。
今の65歳なんてまだまだ若くて、なんだったらエース級に仕事ができる人も多い!
なので、本人のスキルが十分にあり、本人が希望すれば、再雇用契約を結んで仕事に来てもらっています。

 

 

でも、どんなに元気な人でも徐々に体力も気力も落ちていくもので・・・。
いつまでも現役時代と同じように働けるかといえばそういうわけにもいかないのも事実。

 

 

そうなるとスキルに見合った単価で再雇用契約をするのは当然のことで、時給を下げざるを得ないこともあるし、最低賃金が上がったからといってそれに比例して時給をあげるなんてことはできないのが現状です。
そうしていくうちに最低賃金がどんどん上がってくるので、いつかは今の単価が最低賃金に抵触するようになっていく・・・。

 

 

本人は働きたいって思ってくれて、会社も今まで頑張ってくれた経緯があるから多少スキルが落ちてきてたとしてもできるだけそれを叶えてあげたい。
かといって特別扱いはできないですよね。
営利企業だもの。
労働に見合わない賃金を支払って、他のスタッフに負荷をかけるわけにはいかないんだもの。

 

 

でも、このまま最低賃金が上がり続けると、いつか、これを理由に再雇用契約の更新ができなくなってしまうようになります。

 

 

以前、地元の監督署にどうにかならぬかと相談しましたが、どうにもならぬと言われました。
加齢を理由に最低賃金を下回る単価で働いてもらうことはできない、また、そうできる手段もない、と。
最低賃金以上の単価で雇うか、雇い止めをするか、の二択だそうです。

 

 

働く意欲があって、働ける仕事がある。
今までは見合う単価で働けてたのに、国が決めた賃金UPが原因で職を失う危機に瀕している。
でも、国は何もしてくれない。
企業がどうにかするか、あきらめるかの二択だけ。

 

 

なんか、これって違くない???
と思うわけです。

 

 

理不尽に低い単価で労働させられることがないようにと定められた最低賃金。
確かに必要な制度です。

 

 

でも、その制度のせいで働きたくても働けなくなる人がいる。
その制度のせいで働いてほしくても働いてもらえない企業がある。

 

 

国も企業も、働く人を守りたいという思いは同じはずで。
働く人を、働きたいという意欲を持った人を守るために、何かもっと他にも手段があればいいのになとつくづく思います。

 

 

とりあえず、弊社としてできること、
作業の効率化や環境整備、設備導入による環境負荷の軽減、
安定的な販路の確保、適正価格での販売、そして物価上昇に伴う賃金の底上げなど
スタッフに少しでも長く安心して働いてもらえる会社作りに、今度も努めていこうと思います。

 

 

人生100年時代。
最期まで活き生きと生きていきたいなぁ~